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政策提言

秦野商工会議所では、地域経済の振興を目的に意見・要望活動を行っています。

令和5年度の意見・要望活動報告

陳情

要望

陳情

神奈川県の最低賃金額審議に関する陳情

  1. 今月8日には新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類へと引き下げられました。今後は、コロナ禍からの正常化に伴う個人消費の高まりなどもあり、日本経済は回復基調に推移することが期待されます。しかし、人件費や燃料費などコストの増加分を十分に価格転嫁できていない中小企業・小規模事業者は、事業収益を大きく圧迫される状況が続き、依然として危機感を抱いております。
    当所が実施した昨年末時点の中小企業景況調査では、プレミアム電子商品券事業等の効果もあり、全体的に売上高に若干の改善が見られたものの、光熱費の値上げや原材料・仕入価格の上昇により、業種を問わず資金繰りは悪化。加えて、人手不足の深刻化により先行きに不安があるなどの声も聞かれています。
    このような状況下において、現在の最低賃金の全国加重平均額は961円となり、政府が目標に掲げる千円まで39円と迫っています。最低賃金は労働者のセーフティネット保障として、全ての企業に強制的に適用されるものであることから、その決定にあたっては、「最低賃金法」に定める3要素(生計費、賃金、支払い能力)に基づいた納得ある議論の下で進められるべきと考えます。
    現在、神奈川県の時間当たり最低賃金額は1,071円で、東京都の1,072円に次いで全国2番目の高い水準にあります。全国で最も低い最低賃金額853円との差額は218円となっており、20年前の100円から2倍以上に拡大しています。また、隣接する静岡県の944円、山梨県の898円との間にも大きな開きがあることから、経済活動において、隣接県の企業との競争に不利益を生じています。
    こうした地域間格差に対応するため、今年度は、中央最低賃金審議会が目安額を示す際に用いる都道府県別のランクをこれまでの4区分から3区分に減らし再編しました。このことによる格差縮小の実現に期待するものです。
    また、本市は県西域の経済圏に位置し、横浜市や川崎市などの都市部と比べ、地価、物価、賃金などに格差がみられ、経済や生活実態は大きく異なるにもかかわらず、最低賃金は県内同一と定められています。このことは、先に述べたランク制度が、地域の実情に沿った最低賃金額を決定するために必要な制度として重要視されていることに照らせば、同一県内においても同様の観点から、地域経済圏等に応じたランク制度を導入することなども検討すべきと考えます。併せて業種や業態、企業規模等の経営実態の視点を取り入れ、きめ細やかな制度として早期に再構築していただくよう望みます。
    こうした中、神奈川県の最低賃金については、中央最低賃金審議会が示した目安額を、神奈川労働局長が神奈川地方最低賃金審議会に諮問し、その結果を受けて決定します。
    つきましては、審議にあたって次のとおり、市議会から関係機関に働きかけをいただきますよう陳情申し上げます。

陳情事項

  1.  最低賃金は労働者のセーフティネット保障として、全ての企業に強制的に適用されるも のであることから、その決 定に当たっては、「最低賃金法」に定める3要素(生計費、賃金、支払い能力)に基づく客観的なデータを基に、特にコストの増加分を十分に価格転嫁し得ない中小企業・小規模事業者の支払能力について、公労使により納得ある議論を尽くすこと
  2.  神奈川県内同一額の最低賃金制度は、ランク制の導入も含め、経済圏別、業種や業態、企業規模別など、地域や経営の実態を踏まえたきめ細やかな制度として早期に再構築すること
     

提出先:秦野市議会議長 小菅 基司 様

提出日:令和5年5月16日

要望

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)神奈川県未開通区間(高速横浜環状南線・横浜湘南道路)の整備促進等

道路は、社会資本として多様な機能を担っており、国民の生活向上と経済発展に大きな役割を果たしています。
圏央道は、昨年度までに全体の約9割が開通し、沿線では周辺道路の渋滞緩和のみならず、企業立地の促進や新たな観光需要の創出など、地域経済に好循環をもたらすストック効果が発揮されています。
神奈川県内の高速道路においては、昨年4月に、新東名高速道路(伊勢原大山IC~新秦野IC)が開通したことにより、沿線地域の観光地へのアクセス性が向上し、観光活性化に寄与するとともに、物流効率化による生産性向上と企業立地の促進が期待されています。
一方で、県内では、国道1号、国道134号などの主要幹線道路の交通渋滞による時間損失、経済損失のほか、沿線環境の悪化など改善すべき課題があり、物流や観光等の面で大きな損失が発生しています。
物流面では、圏央道の整備進展により、県央地域を中心に物流施設等の立地が進んでいますが、神奈川県の東西方向の交通を担う東名高速道路及び国道16号(保土ヶ谷バイパス)の慢性的な渋滞により、横浜港等への物流輸送の面で大きな支障となっています。
また、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が規制される、いわゆる2024年問題への対応など、物流の効率化が求められることから、幹線道路のさらなる整備促進が不可欠となっています。
観光面では、アフターコロナの本格的なインバウンドの回復により、観光全体の需要回復が期待されており、その中で、多くの観光客を、日本遺産の大山詣り、箱根八里のほか、湘南や鎌倉等の有数の神奈川の観光資源に呼び込むため、安全で円滑に移動できる道路ネットワークが求められています。
また、国道を始めとした幹線道路は、東日本大震災や昨今の豪雨災害において、緊急物資輸送や復旧活動を支えており、その重要性が改めて認識されています。切迫する首都直下地震や激甚化・頻発化する大規模自然災害の発生が危惧される中、防災・減災対策の観点からも幹線道路ネットワークの整備が必要です。
以上により、圏央道神奈川県区間の未開通区間(高速横浜環状南線・横浜湘南道路)を早期に完成させるとともに、インターチェンジへのアクセス道路を一体的に整備することで、ストック効果を神奈川県内全体に拡大していく必要があります。
圏央道がもたらすストック効果を最大限に発揮し、災害に強く安全・安心で力強く持続的な経済成長を実現するとともに、豊かで暮らしやすい地域づくりを実現するため、次の事項を強く要望します。

1 国の成長戦略及び地域の社会・経済活動の発展を支え、国土の根幹的な施設である圏央道神奈川県未開通区間(高
 速横浜環状南線・横浜湘南道路)について、国及び各事業者は、地域の安全安心と施工の安全を最優先に、財源を集中
 的に投資して着実に執行管理を行い、一日も早い完成を目指し事業推進するとともに、トンネル掘進状況を踏まえつつ
 早期に開通時期を示すこと。

1 別に記載する圏央道と一体的に整備が必要なインターチェンジへのアクセス道路の事業費を確保すること及び補助制
 度をさらに拡充すること。

1 真に必要な道路整備を積極的に推進するために、通常予算の安定した財源確保と予算枠拡大を図るとともに、防災・
 減災、国土強靭化のための5か年加速化対策に必要な予算・財源を通常予算とは別枠で確保し、神奈川県を始めとする
 首都圏への重点的な配分をすること。
 

提出先:国交省関東地方整備局
提出日:令和5年7月

 

令和6年度神奈川県予算・政策に関する要望について

  1. 国道246号バイパス(厚木秦野道路)整備促進の働きかけについて

    国道246号は、本県の中央を東西に横断する広域幹線道路であり、今日まで本県産業、経済を発展させるとともに、住民の生活道路として重要な役割を果たしてきました。しかし現在では、交通量の増大により慢性的な交通渋滞が生じています。本市においても名古木・柳町間は、生活道路との平面交差点が多く、朝夕を中心に走行速度の低下等による交通渋滞が日常化しており、混雑を避けた車両が生活道路に流入し、安全を脅かすなど市民生活への悪影響や、物流の停滞による経済的損失を招いています。
    国道246号バイパスは、平成8年6月に全線が都市計画決定され、すでに厚木市、伊勢原市及び当市の一部区間については事業化されていますが、未だ秦野中井インターチェンジから秦野西インターチェンジ(仮称)の計画区間は事業化に至っていません。
    国道246号バイパス早期開通は、国道246号の慢性的な交通混雑の緩和と諸問題の解決に大きく寄与することとなります。さらには、未事業化区間に整備が予定されている渋沢インターチェンジ(仮称)は、本市製造業の約9割が集積する3か所の工業団地(曽屋原、堀山下、平沢)に近接しているため、東名高速道路、新東名高速道路及び圏央道と有機的に結合し広域交通ネットワークが充実することにより、企業活動の効率性を高め、生産性の向上、既存企業の事業拡大や新たな企業立地・雇用の創出など地域経済の発展に、市民・産業界ともに大きく期待しているところであります。
    また、国道246号バイパスのアクセス道路となる都市計画道路渋沢小原線については、「かながわのみちづくり計画」に位置付けられており、県事業として整備されることと伺っております。つきましては、国道246号バイパスの秦野市域内の未事業化区間を含む8.1kmの早期事業化及びアクセス道路となる都市計画道路渋沢小原線の整備促進に向け、関係方面に働きかけ下さいますよう要望いたします。
  2. 新東名秦野丹沢サービスエリアの売店地元スペース確保の働きかけについて

    新東名高速道路整備事業につきましては、中日本高速道路株式会社により施工され、秦野市域内においても令和4年4月に伊勢原市の「伊勢原大山インターチェンジ」から「新秦野インターチェンジ」までの約13kmが開通。秦野丹沢スマートインターチェンジの供用も開始され、インターチェンジ周辺への来秦者や、物流の効率的な効果も見え始め、本線とともに秦野丹沢サービスエリアは、開業に向け工事が進んでいます。
    秦野丹沢サービスエリアは、県立秦野戸川公園に隣接して設置され、丹沢の山々と、相模湾を一望することが出来るロケーションの中、地域の魅力や特色を発信する場として、地域観光・産業振興に大きく寄与するものと期待され、秦野市農業協同組合と商工会議所では、農商工が連携し有効な利用法を協議しております。
    つきましては、平成22年2月の県との包括的提携協定に基づき、秦野丹沢サービスエリアの施設整備の売店設置にあたり、地元関係者のスペースが確保できるよう、関係方面に更なる働きかけをいただきますよう要望いたします。
  3. 県道705号(堀山下秦野停車場)秦野駅前通り道路整備事業について

    県道705号(堀山下秦野停車場)の拡幅整備事業地区に位置する秦野駅前通りは、当市本町地域の玄関口として、また中心商業地区の主体な道路として重要な役割を担う道路です。
    現在、県施工による拡幅と歩道整備の工事が進捗中ですが、第2工区及び交差点工区について計画的な整備の推進をお願い申し上げます。
    この拡幅整備が完成すれば、駅周辺道路の朝夕の交通渋滞が緩和され、交通の利便性向上により、市民の生活行動が変わると思われます。さらには、人流を生み出す集客施設等の誘致や地域振興としてのイベントの場、安心して買い物ができる商店街の形成など多様なニーズに対応した道路空間の構築により、中心市街地のにぎわいを創出し、生活と産業が調和した活力あるまちづくりが促進されるものと大いに期待しているところであります。
    つきましては、目標とする令和8年度の全線供用開始に向け、計画的に事業進捗が図られますよう重ねて要望いたします。
  4. 都市計画道路 渋沢駅前落合線(県道 丹沢公園松原町線)の渋沢駅入口交差点の拡幅整備について

    渋沢駅を起点とする渋沢駅前落合線は、水無川の堀戸大橋を経て県道705号(堀山下秦野停車場線)の工業団地入口まで渋沢地域を縦断して延伸され、その沿道地域は住居系・事業所系・工場系の開発が進み発展している地域であります。また、国道246号と渋沢駅にアクセスする生活道路・産業道路として年々交通量が増大、重要度が増しています。
    こうした中、国道246号との接点である渋沢駅入口交差点は、区画整理事業計画地区内に位置しているにもかかわらず、未だに計画通りの拡幅整備が成されていません。国道への右折帯が短いことから、朝夕や悪天候時の渋滞は激しさを増しており、渋滞を避けるために生活道路へ迂回する車両が周辺住民の安全を脅かす危険な状況にあります。また信号の待ち時間が長く、イライラを募らせたドライバーの無理な交差点への進入による事故も多発しています。このような状態が続けば渋沢地域の商工業者の事業活動や、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼしかねません。
    これらの状況を踏まえ、早急に同道路の渋沢駅交差点の拡幅整備を行い、道路機能の向上と地域生活環境等の改善が図られるよう、問題解決に向けた関係機関との調整を要望いたします。

提出先:神奈川県商工会議所連合会

提出日:令和5年10月

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